塩評判は当てにならない。

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 こうして僕は、急いで王都の医療院へと向かい、師範の魔法薬を購入した。そうして戻ると、ロベルトさんが僕に言った。 「有難う」 「いえいえ! お大事に! 困った事があれば、いつでもご連絡下さい。それが、大家の仕事でもありますから!」 「――そうか、仕事か。助かる」 「いえいえ。それでは、また!」  僕は元気にそう告げ、その場を後にした。こうして、三月末も、無事に家賃を回収した。  だが、怪我というのは、やはり気になる。  そこで、魔法薬の瓶が空になると考えられる三日後に、一応訪ねてみる事に決めた。切り傷ができる仕事という事は、刃物を扱う職人さんか何かなのだろうかと考えつつ、お見舞い用にクリームスープと、念のため魔法薬を持参した。 「こんにちはー!」  そして邸宅の前に立ち、声をかけてから呼び鈴を鳴らした。  不在だろうかと考えながら、僕はまだ庭に残っている雪を見る。だが、今月中にはすべて消えるだろう。この王国は雪が深いのだが、だからこそ一瞬の春がより際立って美しい。 「――君は……」
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