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「音の世界で」
美しいものに触れることは難しい。
体の中に流れ込んでは、頭頂から足先までに浸透するそれさえも、
この手で触れて肌で感じることは出来ない。
その儚さに時としてやるせなさを感じるのに、俺はいつだってそこから離れることが出来なかった。
その世界に孤独を感じ、背を向けた時でさえも、俺は心のどこかでその存在を想っていた。
その執心に気づけたのも、多分、あの小さなストーカーに出会ったからだ。
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