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☆
果たして、面談当日。
「ようこそおいでくださいました」
担任が言う、中年の女性教師だ。お互い面識はあった、郁美の葬儀である。深々と首を垂れて挨拶をした。
「あの、早速なんですが、玲さんの進路なんですが……」
「進学はしません、就職しますっ」
玲が力強く宣言する。
「まだそんなこと言ってるのか」
保晴が呆れ気味に答える、玲はつんと言いたげに顔をそっぽに向けた。
「いえ、もちろん、僕は進学を勧めていますから」
保晴の言葉に、担任はほっとした色を見せる。
「いやっ、勉強嫌いだもんっ」
「勉強する機会もらえるのは贅沢なことだと思ったほうがいいぞ」
優しく言うが、玲はまたもつんとそっぽを向く。
「名前を書けば入学できるような学校でもいい、学歴はあって越したことはない」
「いえ、玲さんなら、もう少し上の学校も狙えますから。今からでもきちんと準備をすれば、さらに上も」
担任も言うが、玲の心は動かない。
「玲ちゃん」
「私、保晴さんのお店手伝う! 工房のみんなに仕事教えてもらう!」
そんなことを思っていたのかと保晴は微笑んだ。確かによく工房に顔を出しているが。
「そうか、それは嬉しいな。だがうちは中卒じゃ雇わないぞ」
言うと玲はぎろりと睨みつけた。
「須山さんが、中卒だっていってたよ!」
保晴は内心天井を見上げる、その通りだ、須山は腕のいい職人だが、少年院で教わった技術だ。
「でも残念、彼も高校には通っているよ」
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