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「せ、せめて高校を卒業するまで! それまでは、僕には無理だ!」
玲が「えーっ」と不満そうな声を上げる。
「今妊娠したら、学校は休むなり辞めるなりしないといけないだろう!」
「別に、最初から行きたかったわけじゃないし」
「玲ちゃんっ」
真っ赤な顔で怒鳴る保晴に、玲は肩をすくめて答えた。
「まあいいや、卒業までか。待ってあげる」
笑顔で言う玲に、保晴は呻くように答えた。
どうか、それまでに玲に意中の男性が現れますように、と心の底から願う。
玲は高校生活を楽しんだ。仲の良い友達にも恵まれ、こんな風に遊ぶのは子供がいたらできないのだと思えば、この生活も楽しいのだが。
家族は早く増えてくれればこの上ない幸せだと、心の奥底では思っていた。
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