8. 残酷な運命

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8. 残酷な運命

玲が卒業式を迎えた日。 もちろん保晴も式に参加した、その雄姿を写真にして郁美の仏壇に飾る。 夕飯に少し豪華になるような料理をデリバリーし、お祝いとした。 その片付けも終わると玲は入浴し、交代で保晴も入った隙に、一糸まとわぬ姿で保晴の布団に潜り込む。 (素肌で布団って……変な感じ) 玲は結婚して姓が変わった、その説明は学校からは養子になったからと嘘の説明があったが、玲自ら結婚したんだと友人たちに打ち明けている。 しかし、子作りはまだだと、あけすけに話していた。 友人たちは経験した者もいる、その子たちにどうなのかと聞いたことがある。 メンバー皆が聞き耳を立てて話し込む、まさに女子トークだ。 めちゃくちゃ痛かった、という者あれば、血も出なかったという者もいた。 でも皆、揃ってとにかく最初は入らないよね、と言っていた。初めて同士は当然だわと笑っていた。ならだどうだろう、保晴はそちらの経験はあるのだ、大丈夫かもと玲はあっけらかんと答えている。 必要なものも聞いた、コンドームは女子でも持っておけといわれたが、そもそも玲は妊娠を望んでいるから不要だろう。そしてローションはあったらいいといわれ、それはなるほどと思った。教えてくれた子と一緒に薬局へ行き、お勧めを購入している。
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