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最初こそ痛みはあったが繰り返されるうちにそれも薄らぎ、やがて快感しか感じなくなった。
「あ……あ……やっくん……あ……っ」
玲の求める声と、肉がぶつかり合う音が混じって響いた。
やがて保晴は果てた、玲の体の奥深くにその証を流し込む。
「……やっくん……!」
嬉しそうな玲の声に、わずかながら罪悪感を感じる。
本当に、自分などが、いいのか。
☆
週に1、2度のペースで交わった。
子が欲しいという玲の希望に沿い一切避妊などしていないのに妊娠の兆候はない。
さすがにおかしいと保晴から誘って専門のクリニックを訪ねた。そこで受けたのが、保晴には健康な精子がいないという診断だった。
「──ごめんよ、玲」
子を望んでからの2年近い時間はなんだったのだ。本当に若い娘を弄んだ気ではないか。
「んー。しかたないよ、こればっかりは、やっくんのせいでもないし」
玲は本当にそう思っている、ここで保晴を責めてもしかたないのだ。
「でも子供は欲しいんだよなあ、ねえ、養子、もらおう」
その判断は早かった。
元は自分も施設に入ったかもしれないのだ、そんな境遇の子の親になって、その子に幸せを分けてあげられた嬉しいと思えた。
もしかしたら、自分が保晴の養子になったかもしれないと思えば、その選択肢当然思いついた。
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