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終話 列車とレールと
僕と気の良いお姉さんは、僕が初めて列車に乗った感想を伝えると、お姉さんは。
「うん、私も初めて列車に乗った時は、知らない事だらけで、不安だらけだけど乗ってしまえば体験になっちゃうもの。ミスやうっかりをすれば反省して、次はこうしようと考えるもの。本当はそうなる前に一手をやりたい所ね、安全に進めるのもあるけど、成功、失敗なんて自分が決めるものだからね。他の人がダメって言っても、自分がしっくり来るなら多分それが良いと思う。ま、要するに目的地を決めたなら、だれでも上手に、そこまで簡単に行きたいと、思うんじゃないかしら」
「ふーん、それって、自分のレールみたいですね」
お姉さんはニコリと。
「そう、列車だからって話じゃないのよ。自分の人生のレールはあなたしか作れないし、ましてや他人と比べるものでもないの。ひとり、ひとり、人生が違うならゴールも全く違う。ほら、手相は他人と比べるものじゃないって言われてる。まさに人生のレールは若い力なら、伸びしろが一杯あるってこと。私は40代のおばさんだから、伸びしろもなにも老いてくだけだけどね」
え? 結構若いと思ったのに、40代か。見た目で解らないくらいかわいいな。ぐっと飲み込む。お姉さんはセンノオにたどり着き手を振って見送る。
僕は伸びしろがある、でも伸びしろをどう伸ばすかは、僕次第って事なのかな。だんだんひとりぼっちになって、頭のお喋りがはかどり不安になってくる。
僕がミスをすればおじいちゃん、おばあちゃん、両親に迷惑をかける。
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