終話 列車とレールと

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 それに、解らないから不安とも言ってたような気がする。  お姉さんを信じるなら、自分のレールは自分で作る、伸びしろがある。伸びしろってこれからの所だよね。  アナウンスが流れアジラと伝える。僕は急いで立ち上がると列車が止まる。アジラ駅だ、かなり年期の入った建物は見覚えはない。  駅員に乗車券を渡すと駅員は回収する。見覚えはない駅の中に、見覚えのある顔が2つ、おじいちゃんとおばあちゃんだ。僕を見つけるなりイスから立ち上がる。僕はやったと走り寄る。 「おじいちゃん、おばあちゃん!!」  おじいちゃんは。 「せっかく来てくれるって、お前のお母さんから連絡が来てね。なんでも初めて列車に乗ったって話で、上手く行くかと心配しておったんじゃよ」  おばあちゃんは。 「この分なら元気そうね。さ、数日ワタシらのお家に泊まって行きなさい」  え? そうか、未来のレールはおじいちゃん、おばあちゃんみたいになるって事だ。  つまり、お父さん、お母さんみたいに僕や子供を育てて、おじいちゃん、おばあちゃんになる。  体はシワシワだけど一杯、経験値溜め込んで居るのかな。ゲームのレベルアップみたいに。  僕はおじいちゃんと、おばあちゃんに誘われる様に道を歩き、見慣れたおじいちゃん、おばあちゃんの家にたどり着いた。
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