57人が本棚に入れています
本棚に追加
2020年1月18日(土)
(しかしワンオペ育児と言っても、二人とも未就園児の頃に比べりゃ多少は楽になったかな)
貧乏焼きそばを食べ終えたあとの皿を洗いながら、ちらっと居間を見てみる。
娘と息子は食後のミカンをむさぼりながら、テレビに映るディズニー映画を見ていた。
昼間もなんだかんだと動画サイトを見たり撮りためたビデオを見たり、それなりに楽しく過ごせたと思う。
ほんの一年二年前はトイレにおむつにミルクに~と、すべてにおいて親の手が必要だったぶん、好き勝手に過ごしてくれる今はかなり楽になったものだ。
(それでも疲れちゃうのは、自分の作業をしながらこうやって子供たちに向けて神経を尖らせているからだろうな)
妙なものをさわっていないだろうかとか、口に入れていないだろうかとか、ミカンでべったべたになった手でタブレットを操作していないだろうかとか……。
「って、言ったそばからさっそくタブレット持とうとしているー!」
速効で濡れタオルをひっつかみ、まさにタブレットを操作しようとしていた息子の手を取り上げばーっと拭きまくる。こっちは必死だというのに当の息子は「うふふふっ」とご機嫌に笑ってら。なにが「うふふふっ」だ、手を洗え。
「ママ~、音が鳴ってるよ」
娘に促されて振り返れば、確かに床に放置されているスマホが鳴っている(なぜに床に放置されていたかと言えば、動画を見ていた娘か息子のどっちかが、飽きてその辺にぶん投げたからだ)。
「お、パパから着信だ。はい、もしもし?」
ディスプレイに表示された名前を確認してから電話取ると、夫ののんびりした声が響いてくる。
『出張だけど明日の午前で終わって、夕方には帰れるよ~』
「えっ、本当?」
『なんか新しい人間がこっちにこられるようになったらしくて。それなら泊まりがけでやらなくても大丈夫だろうって上の判断で』
ありがとう上のひと~! いくら幼児になったってやっぱり子供二人をワンオペで見るのはしんどいのよ!
……いやでも絶対その『上のひと』たちって育児したことのないオッサンだろうから、むしろそのおっさんに幼児二人を見ながら家事をこなす苦労を味わってほしいくらいかな?
苦労を知らないから、小さい子供がいる家の父親を、県をいくつかまたいだ場所に出張に行かせるんだろうからな、オイ。
思わずどす黒い感情を渦巻かせながらも、夫には「じゃあ気をつけて帰ってきてね~」と声をかけて通話を切る。
なんにせよ助かった。明日の夕方にはワンオペ育児から解放される。夫に子供たちのお風呂をお願いできたらしちゃおう。
「あ、でも夫が帰ってくるってことはちゃんとした晩ご飯を作らないと駄目か」
夫が出張でいいところは、ご飯作りが適当でよくなるところ。
一昨日から明日の昼間で、冷凍うどんか貧乏焼きそばでやり過ごそうと思っていた冷蔵庫には食材がない。
明日はまずはスーパーに行かなきゃだな。いないといないで困るし、いたらいたらで困るし。夫ってのは難儀な生き物だなぁと思いつつ、またため息をついちゃう土曜の夜。
最初のコメントを投稿しよう!