2020年1月31日(金)-5

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2020年1月31日(金)-5

「ママ~、これ一年生の子からもらったよ」  と娘が掲げてきたのは、お手紙とか入っていそうな紙製のバッグ。よかったねぇと声をかけるけど、こっちは購入した学用品の重みで潰れそう……。 「○子ちゃん、申し訳ないけどこれだけ持ってもらえるかな? がんばっておうちまで歩いて帰るから」 「うん、がんばるね」  しっかり者の長女気質○子は算数セットとお手紙をしっかり手に持つ。  わたしも体操着やらお道具箱やらクソ重たいのを小脇に抱え、決死の面持ちでいざ出陣。 (くっそおおおおお、みんなこうなることがわかっていたから車できていたのか!)  自分の無知がこれほどつらく感じたことはない。  しかも外は行きと同じく快晴・強風。冷たい北風がこれでもかと吹きすさび、髪が舞い上がってマジで前が見えないんだけど。  寒さだけならまだしも、この風には娘も苦戦。算数セットも重たいし、二人とも腕も手も心も痛いまま、家まで25分死ぬ気で行軍したという……。 (ずぅえっっっっったい! 息子の一日入学のときは車できてやるぅうううう――!!)  心の中で、これ以上ないほど強く強く神に誓う佐倉紫32歳。  こうして一月の末日は幕を閉じたのであった……。  ……いや息子を預かり保育にしてあるから迎えに行かないと。 (そのあと洗濯物取り込んで今日は金曜日だからさらに洗濯機も回しておいて晩ご飯作って子供たちをお風呂に入れて家計簿付けを……って、できるかアホ――ッ!!)  おまけに明日は幼稚園の保育参観あるし。 「死ぬわ!!」  あまりのことに思わず声が出た。死ぬわ。
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