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2020年1月9日(木)-2
(電話もらったあの頃は、幼稚園入ったばっかりだし、まだ伸びしろあるだろうと思っていたんだよね。それよりもおむつが取れないことを心配していたし……)
無事に遊び着について連絡が取れたところで、スマホを置きつつ、ため息を漏らしてしまう。
今はおむつも取れて、夜間のおねしょもほぼなくなった息子……。たまに大をしたときだけ、わたしがお尻を拭きに行くけど、それももう大丈夫そうな感じもしてきた。
言葉は遅いけれど、お友達との仲がこじれたという報告はいっさい聞かないし、本人も朝は一番に鞄を背負って、園バスの乗り場まで歩いて行く。
(同じ年少の入学で、どちらも園バスだったのに、娘はゴールデンウィーク過ぎてもギャン泣きで、息子は初日から泣かずに行けたんだよなぁ、幼稚園)
どちらかと言えば繊細で環境の変化に弱い娘に比べ、息子は性根が図太いのか、環境が変わってもケロッとした表情をしている。
人見知りも場所見知りも、まったくと言っていいほど見せない。
(とはいえ基本的にマイペースなんだよなぁ。それが性格って言えば性格なんだろうけども……)
去年の6月の電話以来、特に担任や副担任の先生方から、息子の言葉や生活態度に関して連絡や相談がくることもない。
(このまま集団生活を続けていけば、言葉の遅れも自由な気質も、だんだん周囲に追いついてくるかな……)
半分、いや半分以上、そうなってくれという願望みたいなことを考えながら、わたしは「さてと。夕飯作らなきゃ」としぶしぶ台所へと歩いて行くのだった。
――言葉が遅い。
――マイペース。
――怒られると視線をどこかにやる。
――その場をぐるぐる回る。
この頃から見られていたいろんな要素は、その後も折にふれて、息子の特性として出てくることになる。
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