1 二人は三歳!

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1 二人は三歳!

 産まれた時から家がお隣同士の亮二くんと俊くんは当然ながら幼馴染みである。  なんとまぁ、出生日も2日違いだったので、近くの総合病院の病室もお母さん同士同じ病室に入院していた。    お母さん同士も年が近く、二人ともさっぱりした人で気が合ったので、旦那さん達が仕事の昼間は自然と、お母さん二人、長男の俊くん亮二くんの計4人で生活してるようなものでした。 そんな、産まれた時からずっと一緒の2人のお話。 ……………………………………… 俊君3歳(ちょっと天然・素直) 亮二君3歳(負けず嫌い・舌っ足らず) 双子のように育ち、仲良くやんちゃに成長した2人。 いたずら盛り、自分でやってみたい事が毎日沢山。 今日は仲良く2人で初めてのお使いです。 もちろん2人だけで行かせるのは心配なので、数メートル離れた後ろからはお母さん2人ビデオカメラとスマホを持って、撮影しながら着いていく予定。 「しゅん!おちゅかいいこ、2人で。ママが行っていいって」 「りょうちゃんとおさんぽ?しておかいもの?」 「そう!えっとね、にんじんさんとウインナだって。あとはオレとしゅんの好きなりんごさんジューチュ!」 「ママに行ってきますするね」 「しゅんのママ、2人で気をちゅけてってお金ももった!」 小さなお手々には500円玉を一枚握りしめています。今日のスーパーのチラシで見たところ、その買い物内容なら500円で足りるはず。 「そか。お金ぼくのおさあふにいれていこねー」 「え〜と、バックとすいとうとライオンしゃんと…」 「りょうちゃんライオンさんつれてくの?」 「うん!オレのともだち」 「ともだち、ぼくいるよ」 「……しょっか。ライオンしゃんおるすばん!」 「おさあふにお金入れたからりょうちゃんのバッグにいれて」 「うん!しゅん!ぼうけんにいくじょ!」 「りょうちゃんたいちょーいくぞ!」  こっそり覗いてたお母さん達は二人の可愛さにメロメロ。 「やっぱり出発前から動画撮っておいて正解だったわね。二人とも可愛すぎる~」 「ほんとほんと。スーパーまで子どもの足で5分くらいかな。ほら、今靴履いてるから玄関出たら私らも行こ」 2人とも初めての育児を悩む事なく楽しめてるのは、隣の母子のおかげだなって、いつもそう思っています。  さて、靴を履いてお手々をつないで出発。 亮二の靴は今流行りの戦隊がプリントしてあるもの。俊の靴は歩く度にキュッキュッと音のするもの。どこに行っても臆することなく走り回ってしまう俊の居場所が分かりやすいように、俊のお母さんはサイズが変わっても必ずこの靴を探して買うようにしてました。出来るだけ目は離さないつもりですが、俊は好奇心も旺盛で人混みを走ってしまう事もあるのです。 「あっるこー♪あるこー♪」    そんな母の苦労は知らず、2人は先日一緒に観た映画の歌を歌いながらご機嫌に歩いていきます。 もちろん、繋いでる手は離しません。 「しゅん!あり、なんかはこんでるりゅ」 「ほんとだぁ。ガンバレ、ガンバレ」  座り込んで蟻の行列を見つめる2人。  ワンッワンワン!!!吠えているのは近所のよく吠える犬。 「ひ〜〜、わんこ〜〜〜」 「りょうちゃん、わんこおうちからでられないみたいだよ」 「ひぃっ」ぼてっ。 繋いであってもこちらを見てよく吠える犬に驚いた亮二は転んでしまいました。 「りょうちゃん!だいじょぶ??」 「いちゃい…けじょ、だいじょび!しゅん、いたいとんでけして」 「いたいいたい、とんでけー」 擦りむいた程度の血は出てないお膝を撫で撫で。 「も、だいじょび!しゅんの手はまほーの手だぁ」 「あっ!スーパーみえてる!」  人参とウインナーはお店の人に手伝ってもらえて、よく買う小さいサイズのりんごジュースは2人とも場所を覚えていて、無事お会計も出来ました。  おつかいできてりんごジュースも買えて満足した2人は、スーパーを出たところで、 我が子達の可愛さに我慢できなくなった母親2人に捕獲されました。 写真も動画も撮れ高オッケーのようです。 「ママ!かえるのまってなきゃダメでちょ!」 「たのしかったね〜、りょうちゃん。かえったらなにしてあそぶ?」 「う~ん。こうえん!」  お昼ご飯を食べたら、お母さん達を連れて?公園です。
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