第五回詩歌トーナメント戦直前

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小納戸入鹿はトーナメント戦に小物を持ち込んでも良いかという申し入れに困惑しつつも自分でも何か心が落ち着くものを持ち込めないかと考え出したが、結局なにももたないのが落ち着くと思い至りトレードマークのメガネをクイと上げた。 彼の詩歌のスタイルは簡単に言うと理屈っぽいものであった。 そんな彼は詩歌の生みの親を持っているという七光ではなく実力で詩歌部部長の座と詩歌トーナメントの出場権利を勝ち取っていた。 そんな優勝候補筆頭である彼ですら驚きを持って一年生の鳳凰院詩華を見つめていた。 「まさか、ここまでとは」 詩華は涼しげな顔で扇をヒラリと振るともう一人の女性候補者である、極楽寺礼華(ごくらくじらいか)を見ていた。 病的に白い顔にメイクもしてないのにくっきりとした目鼻立ちでエキセントリックな印象を与える顔立ちは詩華にも引けを取らないほど印象的であった。 彼女は二年ながらここまで勝ち上がって着た実力者なのだが感情のまま歌い上げるスタイルに詩華は少し興味を持っていた。
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