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第五回詩歌トーナメント戦
「それでは、これより第五回詩歌トーナメント戦第四戦を始めます!」
司会がそういうと、会場は熱気に包まれた拍手が沸き起こった。
司会者のマイクを握る手に汗が滲んでズリ落ちそうになるのを気をつけながら大声を上げなければならなかった。
「えー今回の課題は、月!」
会場のそこここから「おぉ」とか「あぁ」という声が漏れ聞こえた。
お題が決まってから考えるのが即興詩の所以ではあるのだが、そこは通常くじ引きで決められてしまう、このくじ運もやはり実力のうちに入ってしまうのである。
しかし、実際にある程度の実力者どうしになると後攻の方が有利と言うこともそれほどないと言われている。
なぜなら、時間が有ればあるほど考えすぎてしまうし、さらに他の人の詩を聴いて影響を受けない方が自分の色を出しやすいという点もあるらしい。
「それでは、小納戸入鹿君!前へ!」
そこには、まるでプロのミュージシャンが録音するように使う様なマイクが置かれていた。
「はい」
少しだけ息を整えると入鹿は前に進みでた。
最初の一人だけは考える時間が少し多めに許されているが、入鹿はほとんど間を作らずに歌いだした。
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