弱味

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次の日。 また滝沢さんが来たらどうしようか?と、朝からそわそわとしていたけど。 さすがに3日連続はなかった。 今日も、晴君はエントランスを通り過ぎる際、私の事を見る事はなくて。 川邊専務に私と別れた事に対して愚痴を溢したのかもしれないけど、 特に、私と復縁を望んでいるとかはないのだろう。 晴君のLINEは特にブロックとかしていないけど、連絡もない。 "ーーただ、千花には失望したーー" 晴君の私に対する気持ちなんか、もう冷めただろうな。 「あ、奥村さん」 神山さんの言葉でこちらに歩いて来る奥村さんに、気付いた。 「おはようございます。 どうされました?」 私は慌てて立ち上がり、奥村さんにそう挨拶をする。 「えっと、辻山さん。 そろそろ休憩入られますよね?」 「え、はい」 現在、この会社の受付嬢は神山さんと私の二人しかいないので、 交代で昼休みに行っている。 「眞山が、辻山さんと一緒に昼食を社長室で摂りたいと申してまして」 「千花、先に休憩行って来なよ。 大丈夫だから」 そう言う神山さんの方を見ると、目が爛々としていて。 私と眞山社長とのその関係に、興味を持っているのが分かる。 その昼食から帰って来たら、神山さんに色々と追及されるだろうな。 「分かりました。 伺います」 そう言って、私は席を立ち上がった。
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