序章 ある女子高生の失踪

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…冬の寒さから開放された、春の1日。 桜の淡いピンク色に目を細め、少女は、新しい生活にワクワクしながら、道を歩いていた。 「あ」 黒猫が、ちょこんと塀の上に座っている。 少女を見て、みゃあと鳴く。 「何処の猫 だろ?あ、スマホで撮影っと」 いそいそとスマホを出して、早速撮影。 「あ、待って…!まだ撮れてない…!」 逃げた猫を追いかけ、少女は、細い道に入り込んだ。 「いたいた。少しだけじっとしててよ?」 黒猫の緑の瞳が大きくなり、少女を見詰める。 …猫の鳴き声が響き渡る。 -…スマホを残し、少女は、姿を消した。 黒猫と共に。
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