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悲哀
時に、人は立ち止まってしまいたくなることがある。
辛くて悲しくて、涙を流さずにはいられない時がある。
前も見れず、空を見上げることもできず、ただ、言葉にならない言葉を、押し殺すようにしてにじみ出てしまった、声と涙。
恥ずかしくて、隠してしまいたくなる心と葛藤。
目の前にあることを、片付けるようにこなしていくだけ。
紫の点滅信号に、何を優先すべきか時々見えなくなることもある。
沈みかけた夕日が山の向こうへ身を隠したから、こんなにも深い闇を連れてきてしまった。だから、僕は安心して弱い部分を見せることができる。だって、その姿は誰にも見えないから。
伸ばした手に誰も触れないのは、僕のこと、見えていないからなんだろうか。
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