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「君んちのお母さんは?」
リビングに通すなり、彼は訊いて来た。
「あぁ、仕事なんだ」
そう告げると彼は「ふーん」と鼻を鳴らし、「はい、これ」と、笑顔を振りまいてビニール袋を上に上げる。見知らぬ店のショップ袋だった。イチゴとバナナのイラストが入ったビニール袋は可愛らしく、女子受けしそうだ。その袋に『ストロベリー』と書かれていた。初めて聞いた店の名前だ。
「あ、ありがとう」
それを受け取ると、中にはアイスクリームが三つ入っていた。
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