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バスのタイヤにつけられたチェーンが、ガチャガチャと絶え間なく音を立てている。
田んぼの合間の広い道路を、ゆっくりと慎重に、だけど力強く進んでいく。
窓ガラスのくもりを手でそっと拭うと、ひたすら白い世界が広がっていた。
きっと間もなく、タダっちょは不安から解放され、生まれてきた子に喜びを爆発させるのだろう。
そして、奥さんと喜びを分かち合い、共に生きていく決意をあらたにするのだろう。
それぞれの場所でそれぞれの日々を生き、それぞれの喜怒哀楽をかけがえのない人達と味わっている。
もうずっと違う道を歩いているけど、お互いどうか幸せに生きよう。
あの頃、好きだって言えなくてもどかしかったな。
そんなこともあったな。すっかり忘れてたよ。
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