喫茶 森の貝殻のランチ

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「ダリアの花言葉は、気品と移ろいなんです。だから意地悪を言うなら、気品のあるお婆さんだから他に移ろっちゃいますよ。と意味を込めてあげてみるのはどうでしょう!」 二人ともあっけにとられていた。 当たり前だ。 私やマスターだって驚いている。 「死人にクチナシですから!」 ニパッと弾けんばかりの笑顔のいおり君は、酷いことを言ってる。 なのに、ブラックジョークがウケて森の貝殻の店内は終始笑いに包まれていた。 そして、二人でダリアもお買い上げになられた。 栗さん達が帰った喫茶 森の貝殻では、栗さんに貰った黒飴を三人共転がしていた。 「牡蠣のチャウダーは冬の定番にしようか」 マスターがのほほんと言ったので、冗談かと思った。 でも、翌日からメニュー欄に牡蠣のチャウダーがひっそりと加わっていた。 私は牡蠣は食べないけれど、喜ぶ人が少なくとも二人はいると思うと、それも良いかなとランチのチャウダースープ作り始めた。
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