翌日のあなたへ

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翌日のあなたへ

人間は面倒なもので生活をしなければ生きていけない。私は半日以上振りに体を起こし身支度を始めた。 たったその一日だけで嫌というほど別れを思い知らされることとなる。 もう送る必要のない「いってきます」 彼の好みに合わせていた服や靴 ぽっかりと隙間の空いたキーケース 彼の好きな歌手のプレイリスト 毎日のように通った彼の家までの道 よく一緒に食べたシュークリーム 私の生活の至る所にまだ彼がいる。 忘れられるはずがない。忘れたいけど忘れたくない。 全部捨ててしまえば楽なのは分かっているのに、捨てられない。だって私が手放したら、彼はもう二度と戻ってこない気がするから。 馬鹿だと笑ってくれ。 それでもまだ諦めきれないけれど。
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