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数ヶ月後のあなたへ
人間は愚かなもので、数ヶ月もすればあんなにも好きだった人の声や笑顔がぼんやりとしか思い出せなくなる。
「笑った顔が好き」なんて言っていたのはどこのどいつだ。
そして案外私は1人で生活出来ている。
「人生終わり」なんて言ったのはどこのどいつだ。
人生はそんな簡単に終わらない。
この数ヶ月、彼との別れを話す度口を揃えて言われる「男は彼だけじゃない。もっと良い男がいる。」という言葉。前半はそうだとして後半は何故言い切れるんだと思いながらも、そのまま彼の悪口大会に走った。
最初はそうすると少しスッキリして気持ちが軽くなった。でも最近は1人になった時、自己嫌悪に苛まれる。
きっとこんな嫌なところばかりじゃなかった。
良いところも幸せなことも沢山あった。
でも思い出せるのは彼の苛ついた横顔やそっぽを向いて寝てる後ろ姿だけ。
幸せな記憶はしゃぼん玉や流星群のように、沢山あってもいずれ消えてしまう。
辛い記憶は枯葉や雨のように、少しずつ溜まり残って私の足枷となる。
それでも一歩ずつ踏みしめて前に進まなければ。
沼に落ちるのはもう懲りた。
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