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チラッと振り向くと、男がいた。俯いたまま、ただボーッと立っている。
これは、……幽霊!
目の前にすると、やはり怖さが先に立つ。
明日香は、思わず駆け出した。少し先まで行ってT字路に突き当たった。その角を曲がる手前、そっと振り返ってみた。
幽霊は、先ほどの場所に立ったままだ。でも、今度はこちらを見ているような気がする。
明日香は、目を合わせないように慌てて顔をそむけ、小走りで帰宅した。
その次の日、日曜日で賑わって仕事が立て込み、また遅くなってしまった。
不安を抱きながら、少し急ぎ足で霊屋橋を渡り終えた。橋を渡ったところで、気になって振り返ってみた。
すると、また、あの幽霊がいた。
明日香は、後ずさりして離れようとした。
今度は、静かに近づいてくる。
明日香は背を向けると、一目散に帰宅した。
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