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「神様が……。それはすぐには信じられないけど、俺の今の夢が本当の過去だとしたら、俺は、今までどうしてあんないじめたままの世界に閉じこもっていたんだろう」
「それは、私と会えないって気持ちが、自分のせいだから仕方ないって、諦めようとしたからなんじゃないかしら?」
「そんなことって……。でも、そういうことなら、改めて訊いてもいい?」
「何?」
「俺は、君のことが好きだった。これまで、忘れたことなんてなかった。そして、やっとまた巡り合えた。だから、よかったら、また俺と会ってくれないか? 今度は恋人として」
「私、それを待っていた。私こそ、お願いします」
そして、絵麻は彼とまた会う約束をして別れた。
絵麻は、幼い頃からずっと、彼との結婚を頭の片隅に描いていた。
そして今、それが現実のものになるかもしれないことに胸をときめかせていた。
絵麻は、密かにバッグに忍ばせていた青いクリスタルの玉をそっと撫で、今日はまだ早いと思ったけど、いつかこれを彼に見せてあげたいと思った。
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