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この世は甘くない
「僕の解釈が間違っている?」
「確かにわしはお主の魂が彷徨わない様にじっくりと付き合った。じゃが死を受け入れたお主の魂は成仏するのではない」
「そうなの?」
「成仏とは崇高な魂になったものだけが許される者なのじゃ」
「どゆこと?じゃあ僕はどうなるの?」
「やり直しじゃ」
「ん?」
「今度はナチュレという世界に転生し人生を全うするのじゃ、そしてより魂を浄化させるのじゃ」
「えーー?ナチュレって管理人さんが僕の願望に合わせた作り話じゃないの?」
「前に言ったとおりの自然あふれる剣と魔法の世界じゃぞ」
「おおーーーー♪なんだ、異世界転生出来るならそれこそ早く言ってくれたらすぐに死を受け入れたよ僕」
「ではすぐに転生するかの」
「行く行く!すぐ行く!・・・あ、その前に」
「頭痛薬は無いぞ」
「それはいいよ、それよりどんな人間になるのか分かってたりする?」
「もちろんじゃ、どうせここでお主に教えても転生したら魂の時の記憶は無くなるからの、友井宗親として生まれた時に魂の記憶は無かったじゃろ」
「確かに・・・で、どんなキャラなの特殊能力は?」
「名前はゴンザレス、力持ちの農夫じゃ」
「ゴ、ゴンザレス?農夫?・・・転職システムは・・・スキルとか・・・」
「無い、ゴンザレスは馬鹿だから一生貧乏農夫じゃ」
「ひどい!嫌だ!」
「お主の魂は汚れておるからの」
「なんでだよ、ずっと一人きりの植物みたいな人生だったじゃないか」
「死ぬ直前まではな」
「え・・・どゆこと」
「お主がフェアレディZとやらで200キロで壁にぶつかった後どうなったと思う?」
「あ・・・」
「首都高の壁は崩れ、その日は全面通行止めになり多くの都民が迷惑を被った。経済や流通に大打撃を与えたのじゃ」
「誰も死ななかった・・・?」
「それだけは免れたようじゃ、死者でも出てようものなら、そもそも人間では無くトロルかゴブリンにでも転生する事になっていたじゃろう」
「トロル・・・ゴブリン」
「納得したかの?それでは行くぞゴンザレス」
「うう・・・はい・・・ゴンザレス頑張ります」
「ああ、そうだ」
「まだあるの?」
「次の人生も童貞じゃからな」
「やっぱり嫌だーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ー終ー
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