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9回目
「いよいよさ」
「結ばれるのかの」
「ついこの間まで彼女無し童貞の僕が、可愛い彼女と結婚するなんて、当初の目的とは違うけど異世界転生装置を作って良かったよ」
「その装置は早めに壊して二度と作らんでくれよ」
「何言ってんの管理人さんと会えなくなるじゃん」
「わしはそういう存在ではないんだけどな」
「でも、僕なんかに家庭を守れるかな」
「なんだかんだで皆、多くの者がそれが出来ており何とかなっておる。お主も出来ると思うぞ」
「僕はずっと一人だった、おじいちゃんとおばあちゃんが死んじゃってからはずっとそうだった。僕は家族が欲しかったんだね」
「うむ・・・」
「どうしたの?なんか今日の管理人さん、様子がおかしいな」
「わしはいつでも変わらぬよ。そろそろお主が気づくころじゃ」
「気づく?・・・何を?」
「お主の花嫁の名を教えてはくれんかのう」
「どうしたのさ、名前が知りたいなんて。別にいいけど・・・」
「うむ、教えてもらおうかの」
「えっとね・・・あれ・・・え・・・あれ」
「どうしたのじゃ、最愛の人の名前じゃぞ」
「そうだよね・・・あれ・・・」
「どの様な顔をしている、どの様な子じゃ」
「顔はね・・・えっと・・・思い浮かぶんだ・・・でも・・・どんな子かなあ。どうして⁉僕は思い出せないの?」
「思い出せないのでは無い、知らないのじゃ」
「まさか、婚約者だよ。知らない訳ないじゃん」
「お主、職業は?」
「大学の准教授だよ、言ったじゃん」
「この老いぼれにお主の知識の一部を教えてくれんかの。何を講義しているのじゃ」
「それはね・・・えっと・・・それはね・・・」
「これを見てみるがよい」
管理人は水晶型のモニターを宗親に見せた。
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