異世界の狭間

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異世界の狭間

異世界転生装置を起動した友井宗親。 装置を起動させた後、気づくと宗親は異世界の狭間にいた。 ただただ白い、上下左右360度白い。 見渡す限り白い世界。 宗親が立っている床も白い。 白いだけで何もない世界。 ただ宗親の前に「いかにも」って感じの風貌の白髪、白髭の老人が立っている。 異世界転生に人生を捧げている宗親は一瞬にして今、置かれている状況を理解した。 「ここは異世界のはざ・・・」 「ここは異世界の狭間なんだろ、分かっているよ」 宗親は食い気味に説明している者の話を遮った。 「な、なんと⁉お主何者じゃ⁉まさか」 「ああ、そういう驚くのとかいいから。で貴方は神様で合ってる?」 「いや、ワシは神ではない。私は異世界の狭間で彷徨う者を導く管理人みたいなもんじゃ」 「なんだ違うのか、まあいいや。さあ僕を転生させてよ」 「良いのか?転生するという事は・・・」 「うっさいな!そういうのいいから早くしてって言ってるでしょ。僕は分かっているから。あ、その前に僕が転生する世界ってどんなとこなの?」 「それは知らんのか。いや、それより転生というのは・・・」 「シャラーーーップ!説明よろしく」 「なんとまあ・・・そうじゃな・・・あくまで転生すると言うのであれば、ナチュレという世界がいいかの。お主がいた世界とは違う大自然に包まれた世界じゃ。電気や石油など存在しないぞ。いくつかの王国や帝国に人々が住み、人々は自然と調和を取りながら過ごしている」 「いいね、いいねえー。そういうのこそ僕が思う理想の転生世界だ」 「しかし、本当に説明も受けずにいいのかの」 「しつこい」 「分かった・・・では行くとするかの」 「あ・・・待って」 「どうしたのじゃ」 「頭痛薬有る?」 「は?」 「だから頭痛薬、知らないの?僕、研究のし過ぎで偏頭痛持ちなんだよ。いくら理想の世界に住んでいても頭痛かったら何にも出来ないじゃん、ロキソニン有る?」 「先ほど言った通り、科学の発展はない世界じゃしおそらく」 「無いの?だめじゃん!!帰る」 「な、いや、もうこの狭間に来た以上元の世界には帰れないのじゃ」 「何言ってんの、それは元の世界で死んじゃったり、死にそうになった人だけでしょ。魂だけ異世界の狭間に来たから、魂が戻る肉体が無いから帰れないって事でしょ。大丈夫、僕は肉体を維持したままここに来たから」 「なんと⁉お主、今、霊体ではないのか」 「実体だよ、実体。僕は自分の意思で此処に来たんだから」 「なんと⁉」 「なんとなんとってうるさいなあ、早く!帰る」
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