僕は異世界に転生したい

失敗に学びあり

気づくとまた宗親は、異世界転生装置の前にいた。

「失敗だった、まさかロキソニンが無い世界なんて。自然あふれる美しい世界、SNSで傷つけあう醜い事も無く、清楚で巨乳な僕の花嫁候補がいるはずだったのに」

宗親は爪を噛んで独り言を続ける。

「あ・・・１万錠くらい買い込んでいけばいいんじゃない？それだけあれば
一生分になるだろう、そうすればいいじゃん、それにロキソニン以外にも転生先に持っていける物は持っていこう。ついつい、異世界転生ものは体1つで転生する物語ばかりだから、持ち込みという思考が無かった」

宗親はスマホからネット銀行の残高を確認する。若くして大学准教授になっただけにそれなりに収入はあるのだが、異世界転生装置作成に費用をかなりつぎ込んでしまっている。
宗親の銀行残高はそれほど多くない。

「どうせ異世界では円など不要と思って大して貯めてなかった、しまった!仕方ない3か月ほどは異世界転生の為の準備としよう」

宗親はメモ用紙に次々と異世界で必要なものリストを書き込んでいく。

「まず頭痛薬、電気やガスを必要とするものは持って行っても無駄だろう。そうだ、コンドームだ!いたずらに未来の花嫁を妊娠させてはいけない。そうだ、ライターもあると便利そうだ。最初は家探しも必要だしテントとか？」

宗親は独り言と共に夜中まで異世界で必要なリストを作成した。