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4回目
「もう来るなと言ったではないか」
「・・・」
「どうしたのじゃ?元気が無いようじゃが」
「・・・」
「何か言わんとわしも分からんぞ」
「いや・・・さ。僕准教授なんだよ」
「言っておったのう」
「僕の講義って人気無いんだよね」
「そうなのか」
「みんな講義中はスマホ置いて録音してさ、寝たり他の事してるんだよ」
「注意すればいいではないか」
「僕は人に注意なんか出来ないんだよ!」
「わしには偉そうなのに・・・」
「みんなそこにいるのに、僕の存在を舐めているか無視している」
「それは一人きりより辛い事じゃのう」
「分かる?そういや管理人さんもこんな空間で一人切りだけど寂しくないの」
「ほっほっほ、ワシは霊体じゃからの。管理人として必要な思考、感情以外は存在せんのじゃ」
「そっか・・・じゃあ僕も霊体になればこんな思いしなくていいんだね」
「すべての人間はいずれ霊体になる。今はその思いも大事にせよ」
「そういうものかな」
「自ら霊体になろうとしてはいかん」
「よく、自殺したら悪い霊になっちゃうみたいな話あるけどそういう事?」
「それ以上は実体があるお主にはしてやれんのう」
「特別サービスで色々教えてくれたんだね、分かった・・・帰る」
「うむ・・・って・・・何しに来たんじゃ、あやつ」
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