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5回目
「管理人さん」
「コンビニ感覚で来るなお主」
「異世界転生なんてしてはいけないよ」
「今度はどうしたというんじゃ」
「管理人さんの言う通りだった、僕は一人じゃなかった」
「ほう」
「事務の女の子がさ、僕を食事に誘ってきたんだよ!前から気になっていたらしくてさ。僕の事を見てくれている人っているんだね」
「ほっほっほ、良かったのう。そういうものじゃ、コツコツと頑張っていれば誰かが見ていてくれる」
「うん、僕は地位も収入もある。それに彼女まで出来たとなったらもう異世界になんて行ってられないよ」
「家族はどうしたのじゃ」
「・・・・・・」
「聞いてはいけなかったかの」
「いいよ・・・母子家庭、母一人子一人。だけど母は男作って出て行っておじいちゃんとおばあちゃんが僕を育ててくれた、大学にまで貯金はたいて行かせてくれて・・・恩返ししたかったのに、12年前におばあちゃんが・・・その後すぐにおじいちゃんも亡くなって。よくある話さ」
「そうじゃったのか」
「もともと人と話すのが苦手で家にばっかりいたから。勉強しながら介護が必要になったおじいちゃんとおばあちゃんの世話も僕がしていた」
「いい子ではないか」
「そんなんじゃないよ、二人ともどこにも行って欲しくなかったんだ」
「お主にとって大事な身内で有り、心の拠り所だったんじゃな」
「まあね・・・あ、デートの準備しないと!帰る」
「うむ・・・って・・・だからあやつは何しにきたのじゃ?」
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