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***
その後。
彼女はちゃんと、初めての面接に出かけて行って――なんとか終わらせることができたようだった。
人間、気持ちの持ちようというのは大きいのかもしれない。果たしてお守りがどれくらい効果を上げたのかは分からなかったが、その日の夜の電話で、彼女の声は明るいものだった。
『清瑠クンやったよおお!ゲリピーしなかったよ私!褒めてええええ!』
後輩とはいえ、異性にかける電話はそれでいいのか。心の中で盛大にツッコミを入れた僕であった。
面接の結果がどうなるかは、まだ一週間程度待たなければならないらしい。ひとまず、初めての面接成功祝いで、僕は彼女にビッグベリーパフェを奢ったのだった。
「ありがと、清瑠クンのおかげで頑張れたわ」
そして、一緒に行ったカフェにて爆弾投下。
「パフェも美味しいし、初めてのデートも最高だね!」
「ぶっふ!?」
向こう、既に僕と付き合ってるつもりであったと知る。
普通もっと好きだとか付き合ってくださいとか、そういう手順を踏むものなのではなかろうか。僕は真っ赤になって、お水で盛大に噎せたのだった。
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