7人が本棚に入れています
本棚に追加
頑張れ、就活一年生!
「いやあああああああああああああああああ!」
突如、文芸部部室に響き渡る絶叫。僕の目の前で頭抱えて絶叫しているのは、一年年上の大学三年生、榊原梨世子さんだ。
「行きたくない行きたくない行きたくない行きたくない!面接行きたくないよおおおおおおおおおおおお!」
「はい落ち着きましょー。声が部室の外まで漏れてます。梨世子さんが恥ずかしい人だってことがまるわかりですからねー」
「いやあああああそれもいやああああああああ!もうちょっとフォローしてよ清瑠クン!」
「嫌ですけど?」
ああ、いつまでこうしている気なんだろう。僕は時計をちらっと見てため息をついた。
そろそろ、時刻は三時になる。彼女が行きたくないと絶叫している面接は、四時半からのはず。そろそろ学校を出ないと間に合わないはずだが。
――このままじゃ、まーた予定を吹っ飛ばすぞこの人……。
僕は深々とため息をついたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!