君がいる世界だから

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目覚めたのは午後六時。 あれから俺はしばらく気絶してたみたいだ。 俺は痛みに耐えつつ、起き上がった。 「…腹減った、何かねぇかな」 俺はキッチンに移動し、冷蔵庫の中身を見た。冷蔵庫の中にはあの女が飲んでいるのであろう酒しか入っていない。 こんなんで今まで本当のヨウはどうやって生きてきたのだろうか。単純に疑問だ。 俺はしばらく困っていたが、ふと玄関の隙間に挟まっていた手紙らしきものが目に止まった。 何だろう、と思いそれを見てみるとそこには綺麗な字でこう記されていた。 ” ヨウへ おはよう、今日は外に出てこないの? また会えると思ってたのに残念だなぁ… どうせろくなもの食べてないだろうから、これ食べて。外のドアノブにかけておくから。 また明日は会えたら嬉しい。ルカより ” ……嬉しい…嬉しい、嬉しい…! ルカが俺に会いたいと思って会いに来てくれたんだ。心配して食べ物を届けてくれたんだ。嬉しすぎて泣きそうだ。 綺麗な花が散りばめられたメモ用紙は何ともルカらしくて、表情がつい緩んでしまう。 ただのメモ用紙なのにルカのものというだけで、特別な宝物になってしまう。不思議だ。 「あ、そうだ、ドアノブにかけてあるんだよな…」 俺は玄関の扉を開けてドアノブにかけてあったショッピングバッグを手に取った。 中には白ご飯と肉じゃがが入ったタッパーが入っていた。ルカが入れて持ってきてくれたのだろう。 俺は早速食べようと家の中に戻った。 そして電子レンジで白ご飯と肉じゃがを温めた。 「…うまっ…!」 散らかっている部屋の隅で温めた白ご飯と肉じゃがを食べた。 それはとても温かくて、美味しくて、これまでにないほどに幸せな気分になった。
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