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「は、はい、そうですけど…」
俺が勢いに負けてそう答えると花咲みのりは「あなたが…!」と言いさらにきらきらした目で俺を見てきた。
え、何?俺ルカとはともかく花咲みのりと面識なんてないんだけど。というか特待生二人が手握って話してる状況なんて周りからしたら怪しすぎるからとりあえず手は離してほしい。
花咲みのりは俺の手をさらに力強く握った後、口を開いた。この女腕力強いな…
「や〜っぱり!ルカがヨウくんのこと毎日のように話すから知ってたんですよ!口を開けばヨウが、ヨウが〜って…!私の話なんてこれっぽっちも聞かないくせにヨウくんのことについて聞くと無限に話してるんですよ。相当好きなんだな〜って…!やっと会えてよかった〜!ルカも会いたい♡って私の家に来た時からずっと言ってますよ!ヨウくんもこの学校だったとか嬉しすぎる〜、ルカに伝えておきますね!そ・れ・と、これからよろしくお願いしますね…!」
花咲みのりはそう言い終えて俺の手をぶんぶん振ってきた。
ん…?今なんかとんでもない爆弾を落とされた気がする。
る、ルカも俺に会いたがってるって…?
今会いたがってるって言ったよな?
俺だけじゃなかったんだ…嬉しすぎる。
それと花またの主人公ってこんなに喋るキャラだっただろうか。
もっとおしとやかだった気がする。
まあいいか。気にしないでおこう。
「は、はぁ…こちらこそ」
花咲みのりは俺がそう言った後、満足したように手を離したかと思いきや貴族たちを上手く押し退けて昇降口に張り出されているクラス表を見に行き、戻ってきた。この花咲みのりは花また原作に比べ、とても強かだ。
「ヨウくんクラス一緒ですよ!やった〜!ささ、早く私達の新しいクラスまで行きましょ〜!!」
「おわっ!?ちょ、ちょっと待てって…!」
花咲みのりは俺の有無を聞く前に俺の手を引き、俺は俺達の新しい新境地となる1年B組にまで連行されるのであった。
なんかこの強引さ、前世の母親を思い出すな……(遠い目)
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