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「んなっ…!?」
俺が驚くと花咲みのりは目を輝かせた。
別にこれは肯定の意味で驚いたんじゃない。
単純にびっくりしただけだ。
俺がルカのことを恋愛感情で見てる…?
そんなことありえるか、俺にとってルカは崇拝の対象なんだ。推しに抱く感情と恋愛感情を一緒にしないでくれ。
…それに、恋愛なんてもうこりごりだ。
「あれ、ビンゴです?」
「ち、違いますから」
俺は平然を装ってそう伝えた。
すると花咲みのりは何かを察したようにははぁ〜んと訳の分からん声を出してから「わかりました!」と大声で言った。
何がわかったんだよ…。
すると花咲みのりは俺の手を握ってぶつぶつと何かを呟いたあと意を決したかのように俺の瞳を見た。
「私、頑張りますから!」
いや何をだ。花咲みのりは続けてルカのために〜!などと訳の分からんことを言っている。何を頑張るのか検討がつかない。
俺としては姉とルカが幸せに末永く幸せになってくれるならそれでいいのだけど。…もしかして私にルカを任せてという意味での頑張るなのだろうか。それなら俺も応援する。
「が、がんばってください…!」
「ん?うん、がんばりますね!」
俺が言ったあと、花咲みのりはきょとんとしてからそう言った。
俺はここで既にすれ違っていることなど知りもしなかったのだ。
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