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” ルカ、ヨウくんいたよ。
ルカの言う通りすごい美少年に育ってたよ、あれは女子からモテモテだね。周りの子達もちらちら見てたし…もしかしたら取られちゃうかも。”
姉さんから送られたメッセージを見て溜息をつく。
ヨウは確かにあの頃はボロボロだったけど、容姿はいいし優しいし何より表情がコロコロ動くところがかわいくて仕方ないからモテるだろう。
あの後は孤児院に連れていかれただろうから、あの頃よりはボロボロじゃないだろうしそれならモテてしまうのも仕方ない。
だけど…絶対に譲る気なんてない。
俺はヨウと幸せになるんだ。俺の幸せにはヨウの存在が必要だから。
” 写真送ろうか?”
” お願い。それとヨウのことちゃんと見張ってて、変な虫が付かないように。”
” わかってるって。はいこれ写真、こっそり撮ったやつだからあんまり見えないだろうけど。 ”
姉から送られた写真を見て俺はふふ…と声を漏らした。
そこには俺の想像以上に美しく育ったヨウの写真があった。ヨウが教室の窓の外の桜を眺めている様子だった。桜の花びらが空いていた窓の隙間から入ってきていて、とても綺麗だ。
「ふふ、ふふふ…やっと会えるね、来年が楽しみだなぁ。」
入学したらまずヨウに会いに行こう。
そこからヨウが絶対俺から離れられなくなるように、知らない間に依存してしまうように仕向けよう。
” 姉さん、ありがとう。ヨウのこと任せたよ。”
俺はそう送ってスマホをポケットにしまった。ヨウを手に入れるためにもっともっと、完璧な男にならなくちゃね。
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