開幕

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しばらく聖川マフユと言い合っている間に教室に着いた。 教室に着くと花ちゃんがいた。 花ちゃんは俺を見るなり急ぎ足で俺に駆け寄ってきた。ん?何かあったのか…? 「ヨウくん、今帰るところ?丁度良かった!ルカが今日家の鍵忘れちゃったみたいで…今校門の前待ってるから渡しに行ってくれないかな?私今学級委員で色々やることがあって忙しくて…終わるの一時間後とかになっちゃうからルカを待たせちゃうの。ね、お願い!」 花ちゃんはそう言うなり、俺に鍵を渡してきた。そして「ヨウくんなら安心だから」と言ってきた。 …って、今ルカがいるって言った? 俺達の学校の校門の前に…ち、中学生のルカが見れるのか!?幼少期といいそんな公開されてないレア情報見ていいのだろうか…。 でもこれを渡してこないとルカはずっと高校の校門の前で待ってることになるし、それはさすがに……。 俺が色々と思案していると花ちゃんは「細かいことはいいから、心細いだろうし早く行ってあげて?」と言い鍵と一緒に俺の鞄も押し付けてから背中を押してきた。 うっ…そ、そうだよな。ルカのことの方がずっと大切だし早く行かないと。 「花ちゃんまた明日ね!」 俺は色々なことを想像して高鳴る胸を抑えながら花ちゃんに手を振り、駆け出した。途中で色んな人に走るなだの言われたが、一刻も早くルカに鍵を渡しに行かないと。 いや、きっと俺がルカに早く会いたいんだ。
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