31人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヨウくん、よかったらこれから一緒に帰らない?」
ルカが俺にそう尋ねる。
俺とルカが今から帰る…二人きりってことだよな?久しぶりに会ったばかりだしいきなり二人で帰るのは緊張するけど…ルカのこの10年間の話聞きたいな。
「俺の家の方向ヨウくんと一緒だし」
ルカがそう付け足したように言う。
…あれ、俺のいる孤児院ルカに言ったことあったか?…まあいいか、ルカに知られるなら別に大丈夫だ。
俺が色々と思案しているとルカは不思議そうに俺の顔を覗き込んできた。
か、顔が良すぎんだろ……。直視できない。
ルカは初めて会った時も勿論美少年だったが、今は背もかなり高くなって顔からも幼さが消えて息を飲むほどのイケメンになっていた。小説で見たルカだ。いや、小説の時よりも実物は何億倍もかっこいい。推しフィルターがかかっているせいもあるかもしれないが、本当にかっこいい。
…だからか、男の俺でも覗き込まれると少しドキッとしてしまう。
…って、あ、ああ!一緒に帰るかだったか…?
俺は我に返った。危ない、変に意識をしてしまうところだった。俺は意識しそうになったのを誤魔化すためにできるだけ明るい声になるよう口を開いた。
「えっ、あ、ああ!一緒に帰ろう、ルカ」
俺がそう伝えるとルカは顔色を明るくさせて、酷く優しい声で「…嬉しい」と呟いた。
その顔で声のトーンは本当に反則だって…。
最初のコメントを投稿しよう!