4人が本棚に入れています
本棚に追加
(0402,-The murder case『bishop』)
●ヴァン・ダイン
○僧正殺人事件
○ファイロ・ヴァンス-シリーズ-04
○井上勇 先生訳
○創元推理文庫
※ここに記すのは個人の感想です。気になった作品はご検索頂いて出版社様へ“♡”点灯下さいな}
◎この作品は推理小説です。まだ未読の方は、ネタバレに繋がるかもしれないので……
♡(ӦvӦ。)見ないで下さいね☆
*
[入力期間-21年12月16日~22年1月11日]
《…犯人が自分の痕跡を消そうとする時ほど真剣な事はないよ。僕たちが相手にしてるのは精妙な論理を組み立てる、巧妙、極まる機略縦横な人殺しとの、生命をかけた勝負だ…!》~13章~
《…普通の人間なら情緒は絶えず分散されて、鬱積(うっせき)することはない…しかし、自分の時間全てを、強烈な精神集中に費やし、情緒を厳格に抑制してるとなると、潜在意識の解放は凶暴な形で現れがちだ。長期間の禁圧、長期間の継続的な精神を使役、そのあいだ何ら休養も取らず、捌(は)け口もない…
その結果は、しばしば言語に絶する恐怖的行為の形をとった爆発が起こる。どんな知能が優れた人間もその結果から逃れる事はできない。自然の法則を無視したとしても、この法則には従わざるを得ない。超論理的な問題に熱中すると言うことは、自分が否認している情緒の圧力を増大させるだけだ…》
~21章~←(ヴァンスが犯人を分析する場面)この部分を読んだ時、時々ニュースで理解し難い犯罪を行う人は、きっと精神状態がこのように追い詰められてる状況なのだろうな…と思いました。
《「僕は、新聞を読むのは大嫌いなんだよ〜」とヴァンスは穏やかに言った。》~24章~
→(そんな終わった事柄なんかに興味は無い、と…)
*
※日付が先行してるのは1日2〜3章分読んでるからです。続きが気になる…!段々、あらすじだけを記述する小学生の読書感想文みたいになってるなぁ…。もう推理っぽい記述等はしません…当たった試しも、ないんで。[220101]は除く。内容が忌み言葉なので。
※ヴァン・ダイン氏のこの作品を選んだ理由は、特にありません。図書館にこれしかなかったんです。
◎余談ですがこの小説を読んで1番笑ったのは、可憐なベルお嬢さんが銃の所在を尋ねられた際…
「あら、この家にはピストルが2丁あってよ」
と、サラッと言った場面がすごく笑ってしまった!!まぁ…90年前の話ですもんね。
***
※この小説は26章まであります。
23章以降はネタバレの為、1番下↓へ記載します。
***
[220107]●22トランプカードの家
(4月17日sun09:00)パーディーはディラード邸の弓術室でピストル自殺をしていた。ピストルは部屋の引出しにあったもの(11章)。机にうつ伏せて死んでるパーディーの目の前にはトランプで家が作ってあった。「ユーモアは抑制からの解放。鬱積した者は子供の遊戯に夢中になる(詳細は21章)」恐らく最後のマザーグースの童謡、ジャックの家に見立てたのだ。ヴァンスが触れた途端、もろく崩れてしまう。これで僧正事件は終わりかと思われたがヴァンスは終わらせ方が犯人らしくないと納得できずにいた。
[220106]●21超論理殺人
(4月16日sat20:30)チェス対局中のアリバイのないパーディーの目撃情報を集め、彼の状況証拠にしようとする。
だが、その捜査は遂に行われる事はなかった。パーディーは翌朝、自殺してしまったのだ…。
{◎すみません。この章についてだけは、記述を省略させて頂きます。強いて言うなら…
理数系が好きな人、
物理学が好きな人、
数学が好きな人、
心理学が好きな人、
天文学が好きな人、
…が読むと面白い一節だと思います。
興味のある方は、原作をご覧下さい。
※制限理由→主人公のヴァンスがこの「ビショップ殺人事件」を起こした犯人ついて、精神や心理を分析してる場面なのですが、“ど!”素人の製図者が内容をそのまま描いたら、恐らく…
「殺人行為を容認、肯定、助長する様な文章……」
(((;ꏿ_ꏿ;)))ひぃ!
になってしまうので…。}
***
[220105]●20宿敵のビショップ
(4月16日sat13:00)指した手の割に時間がかかり過ぎた例のチェス試合(15章)を検討する為にヴァンスはアーネッソンに意見を求める。すると彼は試合相手のルビンシュタイン氏が45分の考察時間(パーディーにとって自由時間。アリバイがなくしかも犯行時刻とも被ってる)を発見する。結局それが勝負の分かれ目となりパーディーは敗れた。アーネッソンが言うにはパーディーは僧正(ビショップ)で詰められており、以前彼のチェス戦術が破られた時もやはりあの僧正の駒だったと言う。まさにパーディーにとって宿敵の駒だった…!
[220104]●19物理学革命録(4月16日sat12:00)教授に昨夜の事を尋ねると、夕食にパーディーも来ていた所へドラッガーが訪ねてきた。ドラッガーが例の如く、不機嫌になったので教授は散歩に連れ出したと言う。パーディーはアーネッソンが休みたいと言うので自分も散歩してから自宅に帰ったと言う。回り道をして帰ったのは、公園の石壁にいたドラッガーと鉢合わせになり気不味くなったからだった。そしてヴァンスは犯人がなぜドラッガーの部屋に侵入したのかアーネッソンに心当たりを尋ねる。ドラッガーは物理学の重要な研究論文を残していたと言う。だがノートは無くなっていた。生前、ドラッガーがどこかに隠したようだ…。
[220103]●18霧の中の小道~公園の石壁
(4月16日sat11:00)メー夫人が心臓発作で亡くなったのは確実だが、ヴァンスはそれが犯人の意図的に仕組んだものだと見抜く。調理女メンヒェルが昨夜ドラッガー氏の部屋でメー夫人と「低い声の者」が会話をしていたのを聞いていた。メー夫人の心身に急激な負担を加えたせいで彼女は発作を起こしたのだ。それから昨夜ディラード邸周辺を見張っていた刑事たちの話では、ベルお嬢さんは夜会、教授、ドラッガー、アーネッソン、パーディーはディラード邸へ集まり、公園の城壁へ散歩に出掛けたのが教授とパーディーそして亡くなったドラッガー氏だった。見張りの刑事が目を離した隙きに犯行が行われ…。
この章には口絵に載ってた現場周辺図を更に詳細に記したのが2点も載ってます。今まで問題にならなかったアパート間の路地の扉。かなり前にベルお嬢さんが不意に訪れた人が矢を受けない様にと鍵をかけた。鍵はディラード邸のどこかにあるらしい…。
[220102]●17ドラッガー家の悲劇
(4月16日sat9:30)遺体となったドラッガー氏は、前の2つの事件同様に殺される前に後頭部を強打されていた。犯人は1度相手を殴り、気絶か死亡させた上で身動きが取れない被害者を童謡に見立てるように姿勢を取らされたようだ。また彼は死亡する前にディラード邸を訪れたが警察の見張る裏庭を通らなかった。その為、彼が一晩中帰宅しなかったと錯覚させられてしまい、朝になるまで異常に気づくことが出来なかった。まだ息子の死を知らないメー夫人の元へ医者と共に向かうヴァンスたち。調理女のメンツェルは物音ひとつしない2階へ恐怖で上がれず震えていた。ヴァンスたちが確認すると心臓発作で横たわるメー夫人がいた。既に息を引き取った後だった…。
~第3幕~
[211231]●16最後の砦(4月12日tue〜4月16日sat)事件はそれから数日間何の進展もなかった。そんな時に勾留中のスパーリングがロビンが殺された日にドラッガー氏が実はスパーリングが帰る直前まで自宅の庭に影を潜めて隠れてた事を証言する。いよいよドラッガー氏が怪しいと事情聴取をしようとする。だが翌朝、ドラッガー氏は公園の壁面から落ちて死んでいるのが見つかる。自殺と思われたがマザーグースの歌に酷似してるとヴァンスが指摘。恐ろしい出来事は現実となる。僧正から3通目の手紙が届いたのだった…。
[211230]●15パーディー氏の棋譜
(4月12日tue12:30)ドラッガー家に侵入する為の合鍵はベルお嬢さんが持っていた。鍵の入ったバックの所在を尋ねると幾度か彼女の手元から離れている事が伺える。パーディー氏を訪ねたヴァンスたちは彼が密かに失恋し、ベルお嬢さんはアーネッソンと結婚するらしい事と、昨夜の試合はかなりの接戦だったと聞く。手が少ない割に時間がかかり過ぎのチェス試合を気がかり感じたヴァンスは、昨夜の試合の棋譜(きふ)を手に入れて…。
*
んー?チェスの手の数え方は、知らないのですが、
p,264-パーディーは14手の…、
p,265-ヴァンスは44手の…、と言ってるけど……
どっちが正しいの?印刷ミスじゃないよね?
[211229]●14芝居鑑賞~チェスの試合
(4月12日tue11:30)ディラード家を訪れるとベルお嬢さんが消えたピストルが戻されてると言う。発見された銃は弾が1つなくなっており事件に使用されたようだ…。昨夜はベルお嬢さんとアーネッソンは劇場へ、ドラッガー氏とパーディー氏はチェスの話をしていた。パーディーはチェス強者と大事な試合を控えてた為、戦略を練っていたがドラッガー氏は、この試合は負けると予測。案の定、昨夜の試合でパーディーは負けてしまったらしい…そしてヴァンスは屋敷のチェス盤から黒の僧正の駒だけが消えた事に気づく。
[211228]●13忍び寄る僧正
(4月12日tue11:00)メー夫人は、やはりロビンの死体が放置された時に弓術場を見ていた。ヴァンスは犯人が犯行の一部始終を目撃されたと思いメー夫人に警告を与えに来たのだと推測。その後ドラッガー家に長年仕える調理女のメンツェルに話を聞く。最初は何も知らないと言ってた彼女だが本当は息子が疑われるのを心配したメー夫人から口留めされていた。ドラッガー氏はメンツェルが勘違いしてると言うが、ヴァンスはメンツェルには警護を付けるようお願いする。
[211227]●12真夜中の侵入者
(4月12日tue10:00)第2殺人の手紙はニューヨークの街に恐怖を与えた。それでも警察はディラード家と僧正の関係について極秘事項として伏せていた。ヴァンスたちは長年ドラッガー氏とメー夫人を診てるバーステッド医師に話を聴きに行く。ドラッガー氏の病気は生まれつきで母親に非はないと説得してるが遂に説き伏せられかったと語る。その後ドラッガー家を訪ねるがメー夫人はひどく怯えていた。なぜなら昨夜誰かが屋敷に侵入し「黒い僧正の駒」を残していったからだ…。
[211226]●11消えたピストル
(4月11日mon15:00)執事のパインから先週水曜にスプリッグがアーネッソン、ドラッガー氏、パーディー氏と会っていた事を知る。調理女ビードルは今朝早く教授とメー夫人が裏庭であって話をしていたのを目撃していた。そこへアーネッソンがやって来る。ヴァンスがディラード家にはピストルがあるか尋ねると部屋を訪れたベルお嬢さんが射撃練習用の2丁のピストル※が弓術室の戸棚にあると伝える。ヴァンスたちが確認しに行くと2丁の内の1丁「小さいピストル」が盗まれてなくなっていた。そして新聞社には第2の殺人を犯した「僧正」からの手紙が届く…。
※この作品が発表されたのは1929年。ヴァンスも「きびしく言えば非合法ですがヒース部長はサリヴァン法適用の手続きはとらないでしょう」と言っており(銃の法律の歴史は詳しく知りませんが)まだ規制が緩い時代だったらしい…。
[211225]●10教授、協力を拒絶
(4月11日mon14:00)改めてディラード邸を訪ねたヴァンスたち。丁度メー夫人も来ていたので今朝起きたスプリッグの事件について話を振る。彼らが来るよりも早くこの事件の概要を知っていた様子の彼女…。スプリッグもディラード邸によく出入りしており、ディラード家やドラッガー家とも関わりが深かった事が判明。教授は優秀な学生を失った事に狼狽し、今後の協力、精神を病んでいるメー夫人への追求をしないで欲しいと協力を拒むのだった。教授はメー夫人の何を隠してるのか…?
[211224]●09残された数式の紙片
(4月11日mon11:30)殺されたのは毎朝決まって公園を散歩していたスプリッグと言う学生。真面目で大人しく恨みを買う者ではなかった。最初に担当したピッツ警部の報告で銃弾を至近距離で浴びたが彼もやはり後頭部を強打していた。現場では彼の背中の地面から「テンソルの数式」の紙片が見つかる。僧正の手紙と紙質も印字も類似しててヴァンスは第1の事件同様、この周辺の事情に詳しい者の犯行と推理。青年スプリッグとディーラー家には何か隠れた関係があると考える…。
~第2幕~
[211223]●08小さな鉄砲が頭を撃ち…
(4月11日mon11:30)マスコミに手紙が送りつけれたせいで世間はこの狂気の事件で持ちきりだった。ロビンの死因は正確には鈍器による撲殺。やはりあの矢はマザーグースになぞらえる演出だった。一方それとは逆に事件は手がかりがなく日々過ぎて行く。そんな時、マザーグースの歌になぞった第2の殺人が起きてしまう…!
*
ヴァンスは普段、翻訳の仕事をしてるらしいがこの事件にどハマりして放り投げた(いいのか!?)しかも数学者アーネッソンの人物像に興味津々で、精神や心理学の本ばかり読み耽る※相棒マーカムは呆れアノ人を食った様な態度が癪に障る、と言う(ヤキモチ?)
*
※以下はお話で取り上げられた書籍。(たぶん全て実在)本物のファンならこう言う本も全部読むべきでしょうけど、私はそこまで頭が良くないし、時間も惜しいんで省略。参考まで。●バーナード・ハート-精神異常の心理学○フロイト-機知とその無意識に対する関係○コリアト-変態心理○-抑圧された感情○リッポー-滑稽(こっけい)と諧謔(かいぎゃく)○ダニエル・A・フューブッシュ-殺人コンプレックス○ジャネー-偏執と精神薄弱○ドナト-計算偏執狂○リクリン-欲求不満とお伽噺○レップマン-強迫観念の法廷における意義○クーノ・フィッシャー-機知について○エリヒ・ウルフェン-犯罪心理学○ホレンデン-天才の精神異常性○グロース-人間の遊戯性…など●p,142にて
[211222]●07-ヴァンスの見立て~7人のアリバイ
(4月2日sat15:30)9人中ディラード教授とその執事パイン以外アリバイがある。しかしディラード邸とその周辺に詳しい事からヴァンスはこの中の誰かが犯人であると推理。ヒース刑事部長は、新聞社各社に送り付けられた「僧正」が差出人の手紙をヴァンスとマーカムの元へ持ち込む。アーネッソンの協力によりタイプライターを所持するドラッガー氏とパーディー氏の書類とを見比べるが文字も用紙もまるで違う物なのだった…。
*
▲アーネッソン怪しい…ドラッガー氏とパーディー氏のタイプは本物?ベルお嬢さんも本当に家に居なかったのかな?教授の叔父さんが彼女を庇ってるのかも…弓を残したのは自分に好意あるスパーリングが自ら罪を被るだろうと考えた?ディーラー邸周辺に詳しい向かいに住むパーディーも怪しい…。マザーグースじゃなく実はチェスになぞらえてる?なんか鏡の国のアリス読んでる気分になって来た……
(*﹏*;)
[211221]●06スパーリング(雀)の自白
(4月2日sat15:00)スパーリングが取り押さえられディラード家に来る。最初は頑なに犯行を否定していたのだが、ヴァンスが「弓は婦人用のものだった」と言った途端「自分がロビンを殺した」と言い出し…!
*
スパーリング…どう見てもベルお嬢さんの犯行だと思い込んで彼女を庇って自分が犯人になった様に見える。果たして…。
[211220]●05メー夫人の悲鳴
(4月2日sat14:30)ヴァンス、マーカム、ヒース刑事部長はベルお嬢さんと隣家のドラッガー家、メー夫人に話を聞きに行く。科学者の息子は幼い日の事故で体が少し不自由でメー夫人はその原因が自分のせいだと精神を病んでいた。夫人は何も知らないと言うが、息子は母が叫んだ声を聞いたと言い、親子の意見が食い違う。
*
叫び声はメー夫人?でも彼女は何も叫んでないと言う。この小説の語り手は作者のダイン氏なのですがよく主人公ヴァンスの態度や仕草を細かく描写してて例えば…「ヴァンスの口調は穏やかで、愛想よく、人を落ち着かせるものがある」「彼は微動だにせず喋ったが、その言葉には鋭いものがあった」などなど。格好良い…初めてヴァン・ダイン氏の小説を読んだけど仕草の中に事件解決の伏線も隠れてそう…。
[211219]●04奇妙な手紙
(4月2日sat14:00)ヴァンスとマーカムは執事のパイン、調理女のビードルに話を聞く。パインは死体発見時の証言があやふや、重要な証拠の弓になぜ触れたのかはっきりしない。ビードルは隣家のドラッガー氏を快く思わず、彼を悪く言っており事件時刻の証言がはっきりしない。そこへチェス名手で向かいアパートの住人パーディーが来る。シガードとは数学者同士の友人。彼はチェスの戦術で一時話題の人だったが弱点を発見されてからは落ちぶれてしまった。そこへポストに1通の書類が。そこには僧正(ビショップ)と名乗る殺人鬼の署名があり…!
*
この章読んだ時、ヴァン・ダイン氏は小説家じゃなくて本当は物理学者か数学者なのでは…!?と思った。やたら天文学や物理学の話が出てくる。かなりマニアック。それにしても、アーネッソン口悪過ぎ…人類のことを「地球上の“小さな、うじゃうじゃ、不潔な炭水化物の大群」とかって、おいおいサラッと言うなよそんな事。
(• ▽ •;)
[211218]●03予言のような…
(4月2日sat13:30)教授の姪、ベルが言うにはスパーリングとロビンは彼女にとっては友達で実は弓術試合の代表選手の事で揉めてたらしい。普段は弓術が上のスパーリングが、去年はロビンが選手に選ばれたことが納得できず根に持っていた。そこへ教授の養子のアーネッソンが来る。先日彼は冗談でマザーグースの童謡“雀とロビンの話”をしておりそれがまるで殺人予告のようで…
[211217]●02弓術場
(4月2日sat12:30)現場、ディラード教授の邸にやってきたヴァンスとマーカム。箱庭の様な弓術場は向かいにアパート壁、掘り下げた土地、柳の木々に視界を遮られ密室みたいな場所。美しい羽根の付いた矢で射抜かれたロビン。どうやら容疑者はロビンの恋敵スパーリング(=童謡作品の中の雀。殺意の告白をしてる)らしい…
~第1幕~
●01コックロビンの命を奪ったのはたあれ?
(4月2日sat12:00)←日付から事件がエイプリルフールの冗談ではないのが伺える…主人公はニューヨークに住む素人探偵のファイロ・ヴァンス。この事件が4件目で過去3件もの事件解決を導いていた彼は警察からも一目置かれてる。グリーン家の事件の5ヶ月後、フランスでのヴァカンスをやめた彼は、ある日ニューヨークで相棒のNY検事のマーカムとブランチでのんびり過ごしている所に事件が舞い込む。マザーグースの童謡を重ね、プロ級弓術で命を奪われると言う、恐ろしい殺人事件で……。
[211216]♝僧正(ビショップ)殺人事件[1929年春]
{◎ヴァン・ダイン氏の作品は図書館で。カバー無し、書庫保管と言う厳重ぶり☆[私が借りたのは創元推理文庫-井上勇(翻訳)-1995年76版です[奥付より→裏表紙に300の鉛筆書き←2004年古本屋寄贈書-1959年初版-1973年29版(新版)-]昔の小説って字が細かい。斜め読みしただけじゃ犯人が判りません。全26章…読了26日かかる予定……。
******
▲警告
これより下は、小説のクライマックスです。
ネタバレです。
22章を読み終わるまでは……
(>0<;)見ないで下さいな!
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
◇
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
◇
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
◇
[220108]●23教授のヒント
(4月25日mon20:30)パーディーの死から8日後、彼の葬式が近親者のみで行われた。そのお葬式には、生前ドラッガー氏が目をかけてた1人の少女が家庭教師と共に花を供えに来た。アーネッソンが受け取り、亡くなった彼に代わってお礼を言った。
パーディーが死んだ翌日、スパーリングは釈放になる。警察も僧正事件は犯人死亡で捜査終了となった。ベルお嬢さんは一連の事件で心身に支障をきたし遠い親戚の元へ療養することになった。アーネッソンは6月に彼女との結婚を控えていた事もあり、ひどく落ち込む。
パーディーの死が納得できず不機嫌なヴァンスをマーカムは彼が好きなワグナー歌劇に誘う。ところが教授から至急会いたいとの連絡が来る。事件は終わったので断るが彼は何か重要な相談がある様子で…。
呼び出した割に話の確信に迫らない教授。今夜はアーネッソンがいないので彼が留守の時にしか話せない事だと言う。療養の名目でベルお嬢さんを邸から離したのも、彼に対する言い表せない不安のせいだった。結局、先日ヴァンスがアーネッソンと見に行った劇「王位を窺うもの」の話題で話が終わってしまう。しかしヴァンスは教授が自分たちを呼び出した本当の理由に気づく。彼はマーカムたちに「王位を窺うもの」の本を見せる。この劇の登場人物には、こんな記述が…
「ニコラス・アルネッソン…オスロの“僧正“」
彼は劇中、最も凶悪で化け物のような役柄で…。
[220109]
~第4幕,~●24誘拐事件
(4月26日tue09:00)犯人と確信できる状況はあっても警察はどうにも動けずにいた。丁度そこへ誘拐事件がヴァンスたちの耳に入る。誘拐された女の子は先日、お葬式に来ていた女の子マデレーンだ。それを聞いた途端ヴァンスはすぐにディラード邸へ向かう。マーカムたちもマザーグースの童謡“マフェットちゃん”に見立てた事件だと悟る。
しかし、強行した家宅捜索から見つかったのは屋根裏部屋の犯行声明に使ったタイプライターと、消えたドラッガー氏の研究書だけだった。ヴァンスは、もう手遅れだと悲観するが、ふとドラッガー家の捜索を思いつく。
家の中心…物置部屋…騒いでも声が聞こえない場所…そこに女の子が泣き腫らした顔で気絶していた。ヴァンスは丁寧に女の子を抱えると、すぐ医者へ駆け込んだ。
[220110]●25僧正の最後~天罰
(4月26日tue13:00)マデレーンはやや酸欠気味だったが無事だった。ヴァンスたちは「アーネッソン」を逮捕しようとディラード邸へ集まる。確固たる証拠がなかったので犯人に罠を仕掛ける為ヴァンスは教授に協力を求める。間もなくアーネッソンが帰宅。彼にこの事件の真相を次々と明かして行く…段々と顔が青ざめるアーネッソン…やがてヴァンスは教授と「自殺」について話し始める。大罪を犯した者の身の振り方について話をしていたが…ふといきなりヴァンスは部屋の隅に展示されてた「チェリーニの飾り板」を見つけ大騒ぎに褒(ほ)める。呆れた一同は気が緩みワインを飲んだ瞬間……突然、教授が倒れもがき苦しんだかと思うとやがて動かなくなってしまった。真の犯人は教授だった。彼は自殺した様だ。アーネッソンは自分の優れた能力やベルお嬢さんと仲の良いのを教授から嫌悪されていた事に気づいてたと言う。だが殺意まで抱いていたことには驚き命の恩人のヴァンスにお礼を言ったのだった。
[220111,]●26,エピローグ
(4月26日tue16:00)ヴァンスは教授が「王位を窺うもの」をマーカムたちに仄めかした時に教授が犯人だと気付いた。教授はアーネッソンのワインに青酸を仕込んで彼を自殺に見せかけて亡き者にしようとして失敗した。
※……この場面は巷で、今でも賛否両論ありますが。
実は……犯人が教授と見抜いたヴァンスは、教授とアーネッソンのワインをすり替え、それを黙って見てたため、教授を死なせてしまった(!!!)
ヴァンスは、これを“最もスマートに解決する方法だった”とも言っていて、はたから見てて恐いです。
(_ _;;;)
アーネッソンとベルお嬢さんは結婚し彼の故郷ノルウェーで平穏な家庭を築いて暮らした。ずっと後にアーネッソンの研究は世界有数の賞を受賞した。ディラード邸の跡地には新しくアパートが建ち並んでいる。その壁には弓術の的をデザインした飾りが(偶然か定かでは無いが)今は飾られてる…。
(fin)
******
最初のコメントを投稿しよう!