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しばらく歩いて辿り着いたのは、高級感漂う大きなホテル。
同窓会の指定の会場だ。
早速受付を済ませて中のホールへ入ると、華やかな洋服に身を包んだ同級生達が多く集まり、既に賑わいを見せていた。
その華やかさに埋もれないように、私は慣れないヒールの高さに耐えて会場内を堂々と歩く。
懐かしい!あの子も、あの子も…みんな綺麗だしカッコいい大人になってる。
大人になって変わっていく当たり前の様子に感激しながら会場内を歩いている途中…
うわ!!やばい!!
突然足がもたつき、転びそうになった。
「…大丈夫ですか?」
間一髪、もたつきそうになった私の体を誰かが支えた。
それと同時に、低い声が私のすぐ近くで聞こえる。
「すみません!ありがとうござ…」
すぐに体勢を整えてその人と顔を合わせると、私は驚きで言葉が詰まった。
そこにいたのは、私と仲が良かった友達の一人、山崎颯太だった。
高校時代から9年経ったといえど、私は一瞬で山崎君だと確信した。
だって…
「…藤下だよね?久しぶり!!」
あの頃と変わらぬ笑顔で気さくに話しかけてくれた彼は_
私がずっと片想いしていた、大好きでたまらなかった、初恋の人だったから。
この同窓会での再会が、私の人生を大きく狂わせていくことになる。
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