初恋の人

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それから月日が経ち、3学期最後の席替えでも山崎君と近くの席にはならなかった。 全く会話はしないまま、私は授業を受けて友達とお昼ご飯を食べて、そして帰宅する普通の生活を送っていた。 相変わらず山崎君は、女子からキャーキャー騒がれるモテっぷりを見せていた。 彼の凄さにはいつも圧倒される。 そんなある日、朝のホームルームで担任の先生が何やらご機嫌な様子で話を始めた。 「冬休みの宿題でみんなに出してもらった作文ですが、このクラスから二人、優秀賞が決まりました」 「藤下と山崎だ!おめでとう」 私は驚いた。あんな作文、ただ適当に書いて出しただけだったのに。 先生とクラスみんなの拍手を浴びながら、私はふと山崎君の方へ目線を向けた。 すると山崎君も私の方向を見ており、目が合うと彼はクスっと笑った。 私もつられ、口元を緩めて笑顔を向ける。 「明日の学年集会でその作文を発表してもらうから、準備しておいてくれ」 先生はそう言うと、話題を転換させてまた次の話をし始めた。
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