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それから月日は流れ、あっという間に高校生活最後の年を迎える。
そして最後のクラス替えで、私は山崎君と別々のクラスになった。
その事実を知ったと同時に、もう私にチャンスはないんだと…そう思った。
ああ、あの時もっと話しておけば良かった。
連絡先を交換しておけば良かった。
そんな後悔が心の中で渦巻いた。
でも考えたってもう遅い。
彼は私なんかが簡単に手を出せる存在じゃない。
みんなの人気者で、彼を好きな人はこの学校に沢山いる。私はその中の一人なんだから期待したって無駄だと言うことを十分承知していたはずだ。
それなのに、近くで話せただけであんなに盛り上がって、どんどん好きになっていった。
一瞬だった夢の時間を共有できたこと、それはアイドルとファンの関係によく似ている。
あんなに人を好きになったのも、夢中になって見てしまうのも、全部山崎君が初めてだったな。
それからまた、遠くで山崎君を見る日々が始まった。
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