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今年も桜が咲き誇る季節がやってきた。
高校生最後の春、そして今日は卒業式。
ちゃんと制服を着て学校に登校するのも今日で終わりだ。
振り返れば、長いようで短かった高校生活。
そしてなにより、山崎君と出会って本気で恋をしたことが一番の思い出だった。
彼と出会っていなければ、きっと私は色のないつまらない日々を過ごすだけだっただろう。
だから卒業するのがとても寂しくて辛い。
卒業したら山崎君はどうするのか。進学するのか就職するのか。地元に残るのか、遠くへ行くのか。
私は知らなかった。
何一つ、知らなかった。
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