初恋の人

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今日はいつもより早く家を出て学校に向かった。 普段はギリギリまで寝ているせいで朝の空気も景色も何も感じることはなかった。 でも今日は朝の空気と景色をよく堪能しながらゆっくり登校できて、とても心地が良い。 学校に到着し、教室へ入るとまだ誰も来ていなかった。 誰もいない教室は、感じたことのない異様な静けさを纏っていた。 私は自分の席につき、鞄の中から便箋とシャーペンを取り出す。 卒業式の今日、私は山崎君に告白の手紙を渡そうと思っていた。 やっぱり口頭では伝えられそうにもないから、せめて手紙で気持ちを伝えようと思う。 静かなこの教室に、コツコツとシャープペンシルで書く音を響かせる。  ̄ ̄ ̄ ̄ 山崎颯太君。 あなたと話せて嬉しかったです。 大好きでした。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 迷って考えて、気持ちを込めて書いた文章。 私は手紙を丁寧に折りたたみ、そっと鞄の中にしまった。 今日の帰りに渡そう。最後に。 その時、教室の扉が開き、クラスメイト達が徐々に中へ入ってきた。
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