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「ただいま」
18時を過ぎる頃、玄関の扉が開く音と共に旦那の声が聞こえた。
旦那はいつも大体この時間に帰宅してくる。
「おかえり」
夕飯を作っていた手を止め、部屋に入ってきた旦那をいつも通り迎えると、彼は一通のハガキを手にしていた。
「これポストに入ってたよ」
そのハガキを私に渡し、風呂に入ってくると言って旦那はリビングから出て行った。
渡されたハガキを見てみると、同窓会のお知らせと太字で記されたタイトルに加え、行われる場所と住所が記されていた。
「同窓会の案内か」
家に届いたのは高校の同窓会の案内状だった。
今から9年前の高校時代。みんなは元気にしているのかな。
出席するかどうか、そんなことは迷うまでもなかった。
後で龍平さんに知らせておかないと。
私はハガキを机に置き、中断していた夕飯の支度に再び取り掛かる。
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