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Fünf: Rückfall
【6000年前からの記憶】
その双子の姉妹は、「魔女の教会」で生まれた。時の魔女──第3の魔女、アイティオピスは、彼女を憎む存在から隔絶された場所にて、確実に信者を集め、教会を作っていた。
二人は祝福されて生まれた。魔女は二人を、彼女らの両親と共に寵愛し、育てた。
名付けというものがまだ定着していない土地と時代だったためか、二人には幼いうちには名前が無かったが、妹が魔女の力を持つと知れると、伝説に従って名が付けられた。
「テスプローティス」という名を付けられた姉が、魔女アイティオピスが憎まれる「理由」を知ってしまったのは、これと同じくらいの時期だった。
彼女は慌てて、魔女の人喰いを妹テレゴネイアに伝えた。自分を心から愛してくれて、そんな彼女をテレゴネイアは尊敬していた。しかし、実際はどうだ。生きたまま人を食う異常者だということではないか。
その裏切りは、彼女の中に憎悪の溜まり場を作るのに十分だった。その憎悪を、憎き者にぶつけるために自らを磨き上げた。教会ごと滅ぼすために、念入りに外患を誘致する計画も立てた。
全てが上手くいった。計画決行の日、何万という軍勢が教会を襲った。双子はそれを率いて、多くの信者が屍になるのを見届けた。この日に「救済」される予定だった信者は、どちらにせよ死ぬのに死にたくないと喚いた。狂信者だった両親は、恨み言を連ねながらテレゴネイア自らにより惨殺された。
そしてアイティオピスは、最後まで救い手を継承することを主張しながら、打倒された。
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