Eins:Dienst

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【未来を見渡す少年】 「やあ、久しぶり」 「そんなに経ってないでしょう、エリアスさん」  ニルヴとエリアスとアリスは、3人でカフェに集まっていた。ニルヴとエリアスは3ヶ月ほど会っていなかったが、これを「久しぶり」とするかは人により尺度が異なるだろう。  だが、エリアスは卒業に伴い新生活を始めていた。3ヶ月は長く感じたことだろう。 「エリアスさん、実家にもここにも住まずに何やってたんですか?」 「あれ、アリスから聞いてないのか……危険な使命を背負った以上大学には行けないし、とりあえず今はフリーのボディガードをしてる。実績はあるから仕事は呆れるほど来る。交戦記録は校長先生に送ってるよ」  学生時代に校長のことを得体の知れない人物としていたエリアスの姿はどこへやら。まさかここまで積極的に協力するようになるとは、昔のニルヴは想像していなかった。  知ることの快感を知ってしまうと、二度と戻れない。エリアスや校長を見ると、そう思わずにはいられない。 「それで、僕を呼び出したからには、遂に時が来たって感じなんだろうね?」 「ええ、まあ。いつもの便利なのか不便なのかよく分からない未来視が発動しまして。明後日辺りかな、僕達の街が、魔法テロの被害に遭います。魔女らしき女との交戦の様子も見えることから、明らかに時は来た、と」 「ふむ、なるほど。ゲルパーのことは聞いている、その件でエンゼル君が傷心ゆえに、連れてくることはできない。となると、未来は変えられないようだな」  エリアスも、自身の故郷の街が破壊されることは避けられないということは、やはり簡単には信じたくないようだった。
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