Side 悠月 Destiny

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私のせいで、拓海は、ギターを弾けなくなってしまった。 やっと夢だった念願のデビューを果たしたばかりだというのに。 俊也が憎い。なんであんな人に恋していたのだろう? 俊也は、警察に殺人未遂で逮捕された。 病室の拓海の側を離れなかった。 「拓海、私、あなたの人生をむちゃくちゃにしてしまった・・・」私は泣いた。 「ふふ、僕に罰が当たったんです。今までちゃらんぽらんな人生だったから」 「そんなことない」 「初めて本気の恋をした、それは事実なんですけどね」 「本気の恋って私のこと?」 「そう、悠月さん。はじめてこの女を抱きたい、幸せにしたいと思った、痛て」 「大丈夫!? 腕は動かさないで」 「くそっ・・・こんな傷ぐらいで。情けねえーな」 「拓海・・・ギター弾けないね、私が、私が・・・」 「泣かないで、悠月さん! 僕はそれ以上に大切な何かを見つけたんです」 「何か?」
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