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拓海は、病床のベッドから起き上がった。
「拓海、大丈夫? 無理しないで」
「夢は影踏みみたいなものかな。僕は新しい人生の希望を見つけることができました、それは悠月さんと一緒になることです」
「拓海・・・私、拓海の人生に負い目を感じてしまう、私・・・私で本当にいいの?」
「おっと、プロポーズは後からさせてください。こんな病室じゃ野暮ですから」
「・・・拓海・・・どこまでもかっこいいのね」
「バンドマンの最後の美学かな」
「今度は私が、拓海を幸せにする、あなたの全てを見守りたい」私は拓海の頬を撫でた。
「悠月さん、幸せになろうね」
「うん、もう離さないから」
「おお、悠月さんからそんな言葉が聞けて、僕最高に幸せです。会ったときには・・・」
「そうね、私は不幸のヒロインみたいに自分を蔑んでいたもの。それから何度も拓海のことが信じられなくてたくさん傷つけてきてしまった」
「僕は信じていましたよ。悠月さんを幸せにできるのは僕しかいないって」
「なんだか夢みたい。ありがとう」私は泣いた。
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