文は揺蕩う

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 宛先は、はるか遠く。  届けるのなら此処にすべきだから。  手紙を捨てる為に、君へ送る為に。  私が生きた先を伝える為に。  浅崎庵は、君へ伝える為に生きている。  朝霧庵はカメラを持つ第三者に過ぎない。  其処にどんな思いが含まれようと、今写す景色に私は居ない。  それでも、カメラを持つ私は他ならない当事者である。  何処かへ眠る君に、この彩り豊かな君達を伝える為に。  私は、カメラを押した。
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